- 探偵に相談するのが不安です
- あらかじめやっておくことはありますか?
- 相談では何をチェックすればいいですか?
この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。
探偵と聞くと怪しい、怖いなど、ブラックなイメージを抱いている方もいると思います。そのため、探偵に相談すべきとはわかっていても、相談に向けての一歩を踏み出せないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、この記事では、まず探偵とはどんな仕事をする人でどんな人が多いのかご紹介した上で、探偵に相談する前にやっておくべきことや相談までの流れ、相談時の注意点について解説していきたいと思います。
探偵とは何をする人?
まず、そもそも探偵の仕事とはどんな仕事なのか、依頼した場合にどんなことをしてくれるのか確認しておきましょう。この点、探偵業法(正式名称、探偵業の業務の適正化に関する法律)2条1項には次の規定が置かれています。
(定義)
第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集する(①)ことを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い(②)、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。
まず、①より、探偵の仕事は「所在調査」または「行動調査」に関する情報を収集することだとわかります。所在調査で代表的なのが家出調査、人探し調査・行方調査です。一方、行動調査で代表的なのが浮気調査、結婚前調査、ストーカー調査、盗聴器発見調査などです。
そして、①の目的を達成するために、探偵は「聞き込み」、「尾行」、「張り込み」、「その他これらに類する方法(動画や写真撮影など)」を行うことができると定めているのが②です。
探偵ってどんな人?
冒頭でも触れたように、探偵に対してマイナスのイメージを抱いている方も多いかもしれません。探偵という職業柄、あるいは平気で依頼者を騙したり、違法行為を躊躇なく行うような悪徳探偵の存在が影響しているのかもしれません。
しかし、実際には、街中でよく見かけるような「ごく普通の人」が多く、探偵だと聞くとイメージと実際とのギャップに驚かれる方も多いです。口調は穏やかで、悩みや困りごとに親身になって耳を傾けてくれる探偵も多いです。
もっとも、ご自分と相性の合う探偵かどうかは実際に会って話してみないとわかりません。そのためにも、後述するように、相談の際は、できる限り事務所まで足を運び、担当となるであろう探偵に実際に会って話してみることが大切です。
探偵に相談するまでにやっておくべきこと
それでは、ここからは探偵に相談するまでにやっておくべきことを解説していきます。探偵に相談しようと思っても、いきなり相談を申し込んではいけません。相談を充実なものとし、その後の依頼にスムーズにつなげるためにも、事前準備をしっかりと行ってから相談することが大切です。
①自分で浮気調査してみる
まず、「浮気されたかも?」と感じたら、できる範囲でかまいませんのでご自分で調査してみましょう。
確かに、直観も大事ですが、誤解だったという可能性もなくはありません。まずは、あなたが「浮気されたかも?」と思う手がかりを探す必要があります。浮気調査をうまくやることができそこに運が重なれば、パートナーの不貞を証明できる決定的な証拠をつかめるかもしれません。そうすれば、わざわざ探偵に相談する必要がなくなります。
また、仮に決定的な証拠をつかめなくても、自分で浮気調査することでパートナーの行動パターンが徐々に見えてくることがあります。パートナーの行動パターンが見えてくると探偵に的を絞った調査を依頼できます。探偵に的を絞る調査を依頼できれば、調査が成功する確率が高くなりますし、調査費用を安く済ませることができます。
もっとも、パートナーに浮気調査していること、浮気を疑っていることがバレるとパートナーの警戒心が高くなって浮気調査を進めることが難しくなります。パートナーの警戒心が高くなると調査の難易度も高くなり、調査が成功する確率が落ち、調査期間が長期化して調査費用が高くなることにもなりかねません。
個人で行う調査は無理のない範囲にとどめ、限界を感じたら潔く諦めて探偵に相談した方が安全です。
②現在の状況を整理する
次に、①の過程を経て、今現在、あなたがパートナーの浮気に対してどういう心証を抱いているのかを整理しましょう。この点、大きく次の3つのパターンに整理できると思います。
1.浮気を通り越して不貞している可能性大
2.もしかしたら不貞しているかもしれない
3.まったくわからない
次に、1の心証の方は「a.パートナーの行動パターンを把握できている」という方が多いでしょう。2の心証の方は「a.パートナーの行動パターンを把握できている」という方も、「b.パートナーの行動パターンまでは把握できていない」という方もおられると思います。3の心証の方は「b.パートナーの行動パターンまでは把握できていない」という方が多いでしょう。
以上を整理すると、あなたが今置かれている状況は次のいずれかに整理でき、今度どういう行動をとるべきかがわかります。
Aパターン(1+a)
ある程度浮気調査できていて、あと一歩のところで不貞の証拠をつかめる状況です。時間料金型の料金プランで契約し、探偵に的を絞った調査を依頼し、コスパよく証拠を集めましょう。
Bパターン(2+a)
不貞の証拠をつかめるかもしれませんが、もしかしたら浮気段階にとどまっている可能性もあります。浮気調査の目的を何に設定するかによって、探偵に依頼するかどうかを決めてもよいでしょう。
Cパターン(2+b)
仮に不貞していたとしても、不貞の証拠をつかむにはある程度の期間が必要です。今一度ご自分で調査するか、探偵に依頼するとしても時間料金型ではなく、成功報酬型、あるいはパック型で依頼した方が安心です。
Dパターン(3+b)
まだまだ浮気調査が足りない状況です。このまま探偵に依頼しても空振りに終わるか、多額の費用がかかってしまう可能性があります。できる範囲でご自分で浮気調査してみて、ある程度の心証をつかむことからはじめましょう。
あなたに当てはまる状況はありましたでしょうか?
③浮気調査の目的を明確にする
あなたが置かれている状況を整理できたら、今度は探偵に浮気調査を依頼する目的を明確にしましょう。すなわち、「ⅰ.パートナーや浮気相手に慰謝料請求したい」のか、「ⅱ.離婚の話し合いを有利に進めたい」のか、「ⅲ.真実を知りたい」のか、「ⅳ.浮気したことを認めさせたい」のか、あるいは「その他の目的」があるのかということです。
浮気調査の目的は浮気調査の難易度を左右する要素の一つです。通常、不貞の証拠を集めることを目的とする場合(浮気調査の目的が「ⅰ」or「ⅱ」の場合)は浮気調査の難易度は高くなります。そして、浮気調査の難易度が高くなればなるほどかかる費用は高くなりますから、費用のことを考える前提として浮気調査の目的を明確にしておくべきです。
また、今現在あなたが置かれた状況と浮気調査の目的との兼ね合いで、探偵に浮気調査を依頼するのか、依頼せずに事態を見守るのか、自分で浮気調査を進めるのか選択肢が分かれてきます。いずれにせよ、探偵との相談ではまず浮気調査の目的を聞かれますから明確にしておく必要がありますし、明確にしておくことで探偵から今後に向けた具体的なアドバイスを受けやすくなります。
探偵に相談するまでの流れ
事前準備が整ったら、次は探偵に相談を申し込みます。ここでは、申し込みから探偵に相談するまでの流れについてみていきましょう。
④複数の探偵事務所をピックアップ
まず、お住いの場所を基準に、相談できそうな探偵事務所をピックアップします。なぜ、お住いの場所を基準とするかというと、探偵への相談は実際に事務所まで足を運んで行うことが望ましからです。自分に合った事務所を見つけるには、複数の探偵に相談した方がよいですから、できる限り複数の候補をピックアップしておきましょう。
⑤ホームページなどで情報収集する
ある程度相談する候補をピックアップできたら、事務所のホームページなどで必要な情報を集めましょう。その際は、以下の点を中心にチェックするとよいでしょう。
【相談前のチェック項目】
□ 誇大広告の有無
□ 実績・調査力
□ 探偵業届出証明書番号
□ 事務所の有無、所在地
□ 代表者の氏名、顔写真、プロフィール(挨拶)
□ ホームページのデザイン、ブログ等の更新頻度
□ 調査員が自前かどうか
□ 調査員への教育体制が充実しているかどうか
□ 業界団体に所属しているか
□ 料金体系
□ カウンセリング、アフターフォローの有無
□ 弁護士、行政書士との連携の有無
□ 行政処分歴の有無
⑥探偵に提供する証拠や情報を整理する
次に、探偵に提供する証拠や情報を整理しておきましょう。探偵はプロとはいえ、すべての情報を一から集めてくれるわけではありません。また、少しでも調査の成功率をあげる意味でも、把握している限りの証拠や情報を提供しておくとよいでしょう。なお、探偵には守秘義務が課されていますから、情報提供しても情報が外部に洩れることはありません。
【相談前に整理しておくべき情報】
□ これまで集めた証拠
□ パートナーや浮気相手に関する情報
・ 名前
・ 生年月日
・ 身長
・ 体重(体型)
・ 住所
・ 携帯電話番号
・ 職業
・ 勤務先の情報(名称、住所、電話番号)
・ 普段の交通手段(徒歩、公共の交通機関、車)
・ 車の情報(車種、色、ナンバーなど)
・ 歩き方の特徴
・ 趣味
・ 行きつけのお店
・ 職歴、学歴
・ 性格
⑦相談を申し込む
ここまできたらいよいよ相談を申し込みます。相談→依頼→調査開始までどうしても期間を要してしまいますから、あらかじめパートナーの行動パターンがつかめている場合は、余裕をもって申し込んだ方がよいです。申し込みは電話またはメールで行うことが多いでしょう。この際も、以下の点を中心に確認しておけば、実際に探偵に依頼する際の参考にできます。
【電話またはメール時のチェック項目】
□ 言葉遣いは丁寧か
□ 質問に真摯に答えてくれるか
□ 回答内容は明確か(曖昧でないか)
□ 折り返しの電話、メールが遅くないか
相談時のチェック項目
はじめに述べたとおり、相談は事務所で行うのが基本です。事務所に行くのが不安な場合は、親や友人など信頼できる人についていってもらうとよいでしょう。どうしても事務所へ足を運ぶことが難しい場合は、出張面談や電話、メールでの相談に応じてくれる事務所を探しておきましょう。
相談の際は以下のチェック項目を確認し、不明な点は遠慮なく質問して解消しておきましょう。その場で契約せず、見積書等をいったん自宅に持ち帰って他の事務所と比較検討し、不明点をすべて解消してから契約するようにしましょう。
【相談時のチェック項目(事務所で相談した場合)】
□ 事務所が実在するかどうか
□ 探偵業届出証明書の有無
□ 従業員の人柄、相性
□ 費用のこと
□ 機材を見せてくれるかどうか
□ 調査報告書を見せてくれるかどうか
□ 契約や着手金の支払を急かされないかどうか
□ ホームページを見て浮かんだ疑問点、不明点
探偵に相談する際の注意点
最後に、探偵に相談する際の注意点についてみていきましょう。
無料相談の制限時間、回数
まず、無料相談の制限時間と回数です。最近は無料で相談に応じる事務所がほとんどですが、時間や回数には制限を設けています。時間無制限だと思って相談したところ30分しか相談できなかった、再度相談しようとしたところ有料だと言われた、などというケースもありますからしっかりチェックしておきましょう。
曖昧な回答はしない、嘘をつかない
次に、相談時に探偵から聞かれたことに対して嘘はつかないことはもちろん、曖昧な回答をすることも禁物です。回答が曖昧な場合は「どちらかわからない」とはっきり回答した方がよいです。相談時のあなたの回答が探偵の調査内容に大きく影響を及ぼす可能性があります。曖昧な回答をしてしまわないよう注意が必要です。
契約しない
前述のとおり、相談ではいきなり契約してはいけません。相談の目的は契約することではなく、あくまで事務所の情報を収集し、あなたの疑問点等を解消することです。万が一、契約してしまった場合は取消しできる可能性もありますので、お困りの場合は国民消費生活センターに相談してみるとよいです。なお、喫茶店等事務所外で契約した場合はクーリングオフできることも知っておくとよいと思います。
まとめ
探偵への相談を充実なものとするためにも事前準備が大切です。事前準備が整ったら、探偵のホームページなどであらかじめ情報収集しましょう。そして、情報収集してみて「相談してみたい」、「自分に合ってそう」と思う探偵に相談を申し込みます。相談では契約せず、いったん持ち帰って他社と比較検討することが大切です。探偵に相談するのははじめて、という方も多いでしょうから、少しでも負担を和らげるには手順を踏んで相談してみることが大切です。