✔ 相手に話し合いを切り出す前にやっておくことはありますか?
✔ 話し合いをい切り出すタイミング、切り出し方がわかりません
✔ 話し合いでは何をしたらいいのでしょうか?
✔ 話し合いではどんなことに注意したらいいですか?
✔ 話し合いの後は何をやるべきですか?
この記事ではこのような疑問、悩みにお応えします。
パートナーに浮気された場合、必ず通らなければならない道が「話し合い」です。パートナーとの今後の関係は、究極は、修復か、離婚かの二択しかありませんが、いずれの選択をするにせよ、あなたの一存だけで決めることはできません。
とはいえ、「話し合いなんかしたくない」、「面倒くさい」と思われた方も多いはず。そこで、この記事の前半では、なぜ話し合いをする必要があるのか、そもそも論を解説した上で、少しでも話し合いの負担を軽く、話し合いを有利に進めてもらうべく、パートナーに話し合いを切り出す前にやるべきことを解説します。
また、中盤から後半では、パートナーに話し合いを切り出すタイミングや切り出し方、修復・離婚別に話し合いでやること、話し合いした後にやること、話し合いの注意点などについて解説していきます。ぜひ、最後までご一読いただき今後の参考していただけると幸いです。
浮気の話し合いは必要
まず、婚姻関係を継続するにせよ、離婚するにせよ、話し合いは避けてはとおれない道です。婚姻関係を継続する場合は、どうしたら良好な夫婦関係を築いていけるか夫婦でよく話し合う必要がありますし、離婚する場合は慰謝料や養育費など、離婚にあたって決めるべきことについて話し合う必要があります。
浮気の話し合いをするメリット
では、パートナーと話し合いをすることにどんなメリットがあるのかみていきましょう。
浮気の事実関係がわかる
まず、一番のメリットは、浮気をしたのかどうか、したとして相手はどこの誰で、どこまでの関係まで至ったのか、期間や回数はどれくらいかなど、浮気の事実関係がわかることです。パートナーの口から直接言わせることで、これまでわからなかった事実関係ををはっきりさせることができます。
お互いの考えを知る機会になる
次に、お互いの考えを知るいい機会になることです。話し合いの機会を設けるまでは、お互いの胸の内を知る機会がほとんどなかったという方も多いと思います。あえて今後に向けた話し合いの機会を設けることで、お互いの本音を知るいい機会になりえます。
浮気された原因がわかる
次に、浮気された原因がわかることです。今後も、パートナーとの婚姻関係を継続する場合は、浮気の原因の中に再出発のためのヒントを見つけることができるかもしれません。パートナーが浮気を認めるのであれば、どうして浮気したのか、あなたのどこに不満をもっていたのかを聞いてみるとよいでしょう。
今後の進むべき道がわかる
最後に、話し合いを通じて、婚姻関係を継続するのか、離婚するのか結論をはっきりさせ、次のステップに進むことができます。いずれもあなたの一存で決めることはできませんから、話し合いをとおしてあなたにとって、あるいはパートナーにとっていずれの選択がよりベストなのかを考えていく必要があります。
浮気の話し合いをするデメリット
次に、話し合いのデメリットをみていきましょう。
かえって関係が悪化する可能性がある
まず、お互いが感情的になって冷静な話し合いができなくなり、関係がますます悪化する可能性があることです。ただ、後述する事前準備をしっかり行っておけば冷静に対処することが可能です。
話し合いが曖昧なまま終わってしまう
次に、話し合いが曖昧な形のまま終わってしまう可能性があることです。特に、準備不足のまま話し合いに臨んだ場合に陥りがちです。繰り返しになりますが、話し合いを無意味なものと終わらせないためにも、しっかりとした事前準備が必要です。
浮気の話し合いを切り出す前にやっておくべきこと
浮気されたかも?と感じた場合にいきなりパートナーを問い詰めるのは絶対にやめましょう。
いきなり問い詰めると、当然ながら浮気を疑っていることがバレます。バレると、パートナーの警戒心を高め、浮気の証拠を集めることが難しくなります。また、パートナーから逆切れされ、関係がますます悪化する可能性もあります。
パートナーを問い詰める前にしっかりとした事前準備が必要です。以下では、パートナーに話し合いを切り出す前にやっておくべき事前準備についてみていきましょう。
①自分で調査してみる
まずは、できる範囲で自分で調査してみましょう。
調査の内容や目的によっては、ご自分でしかできないもの、ご自分の調査で済むものものあります。運がよければ決定的な証拠をつかめる可能性もありますし、仮につかめないまでも、行動パターンや浮気相手に関する情報をつかんでおけば、探偵に調査を依頼した場合の費用の節約にもつながります。
②探偵に相談、依頼する
次に、自分で調査することに自信がない場合、そもそも自分で調査すべきでない場合は探偵に相談、依頼しましょう。
調査で最もおそれるべきことはパートナーに浮気を疑っていること、調査していることがバレること、感づかれることです。無理して自分で行うとバレるリスクを高め、失敗に終わる可能性があります。自分でできる調査と探偵に任せる調査の線引きをはっきりさせ、探偵に任せるところは任せた方が安心です。
③パートナーとの関係を考える
次に、今後のパートナーとの関係、すなわち、このまま婚姻関係を継続(修復)するのか、離婚するのか、あなたなりの意見、考えを固めておきましょう(最終的には、パートナーとの話し合いを通じて結論を出します)。
婚姻関係を継続するのか、離婚するのかを決めるには、非常に多くのことを考えなければなりませんから、すぐには結論は出せないと思います。もし、一人で考えても結論が出せない場合は、一人で悩まず同じ経験をした方や夫婦カウンセラーなどの専門家に相談して意見を聞いてみるのも一つの方法です。
④-1【修復】過去を振り返ってみる
次に、修復を望む場合は過去を振り返り、何がいけなかったのかをあなたなりに思い出してみましょう。
これまで通りの対応でいるとまた浮気される可能性があります。パートナーの心があなたから離れていたたということは、パートナーがあなたに何かしらの不平、不満を抱いていたということですから、それが何なのかを自分なりに考え、改善していくことが求められます。
④-2【離婚】離婚で必要なことを知る
一方、離婚を望む場合は、離婚するにはどんなことが必要なのか情報収集しておきましょう。
離婚といっても単に離婚届にサインして役所に提出すればいいわけではありません。そもそも離婚することが適切な選択なのかどうか今一度考える必要がありますし、離婚で後悔しないためには様々な準備が必要です。離婚の準備には時間がかかります。離婚の意思が固い方や離婚を急ぎたい方は、調査と並行して離婚の準備を進めておいてもよいでしょう。
⑤話し合いの場所を探しておく
ここまできたら、いよいよ話し合いに向けた準備を進めていきます。まずは、話し合いの場所を探しておくことです。
自宅など第三者の目の届かない場所はおすすめしません。自然と話し合いがヒートアップし、パートナーから暴力を振るわれる可能性がありますし、仮に、そうなった場合に周囲に助けを求めることが簡単ではありません。カフェやホテルのラウンジなど、第三者の目の届く場所で、かつ、プライベートもしっかり確保できる場所だと落ち着いて話し合いができるでしょう。
⑥間に入ってくれる人を探しておく
次に、話し合いの間に入ってくれる人を探しておくことです。
後述するように、話し合いは夫婦二人で行うのが原則ですが、自信がない場合は、間に入ってもらう人を探しておくとよいです。身近な人だと親族、離婚経験者の友人などが考えられますが、あなたに一方的に肩入れする可能性のある人は適任とはいえません。専門家の中では、夫婦カウンセラーの資格をもつ行政書士、あるいは弁護士が適任といえます。
浮気の話し合いを切り出すタイミング
浮気の話し合いを切り出すタイミングは、修復を望む場合と離婚を望む場合とで共通する部分と異なる部分がありますので、以下、それぞれわけてみていきましょう。
【修復】【離婚】共通
まず、修復を望む場合も離婚を望む場合も、パートナーが話し合いに応じてくれるタイミングを見極めなければいけません。平日や深夜に切り出すのは避け、できれば、休日・祝日でかつ翌日も休みという日を選択します。
いきなり切り出すよりかは、あらかじめ話し合いの日を伝えておく方が丁寧です。子供の前での話し合いは避けましょう。子供が幼くて手が離せない場合は、親など代わりに見てもらう人を探し、話し合いの場に同席させないようにしましょう。
【修復】を望む場合
修復を望む場合の浮気の話し合いを切り出すタイミングは、前述の①から⑥の準備を終え、さらに、修復のためのルールを取りまとめた書面の原案を作った後です。
ただし、浮気相手に慰謝料請求したい場合は、浮気相手との話し合いの準備を終えた後がよいでしょう。パートナーと浮気相手のどちらから話し合いを切り出すかは、ケースバイケースで判断するほかありません。
【離婚】を望む場合
離婚を望む場合のタイミングは、離婚の準備を終え、離婚後の生活の不安を取り除けた後が基本です。ただし、浮気のほかDVや虐待などで身の危険にさらされている場合は、身の安全を確保することを優先させてください。
また、子供がいて、転園・転校を必要とする場合は、新年度(あるいは、新学期)に新しい生活をスタートすることを想定して切り出す必要があります。切り出した後も、離婚の話し合いで時間がとられると予定通りにいかなくなる可能性がありますので注意が必要です。
浮気の話し合いの切り出し方
浮気の話し合いの切り出し方も、修復の場合と離婚の場合で異なります。なお、どのような方法で切り出す場合も、はじめはに話し合いの趣旨・目的を端的に伝え、中身はのちのち話し合っていくスタンスでいるとよいでしょう。切り出す際は感情的にならず、冷静さを保つことを心がけましょう。
【修復】を望む場合
修復を望む場合は、同居している場合も別居している場合も、口頭(直接会って切り出す)か電話で切り出すことをおすすめします。メールや書面(手紙)などの間接的な方法だと、パートナーに不快感を与え、話し合いを難しくしてしまうおそれがあります。
【離婚】を望む場合
一方、離婚を望む場合は、同居しているか別居しているかで異なります。同居している場合は口頭で切り出すのが基本です。一方、別居している場合は電話、メール、書面で切り出す方法があります。それぞれ長所・短所がありますので、しっかり把握してから選択してください。パートナーが話し合いのテーブルについてくれそうにない場合は、内容証明を使うことも検討します。
浮気の話し合いでやること
パートナーに話し合いを切り出したら、いよいよ話し合いです。
【修復】を望む場合
修復を望む場合は、まずはパートナーに対する感謝、労いの気持ちを伝え、修復したい、夫婦関係を続けていきたい気持ちを率直に伝えましょう。
パートナーはあなたから何を言われるのか身構えており、あなたの対応しだいでは強く抵抗してくることも考えられます。今後もパートナーとの関係を継続させていきたい場合は、パートナーの緊張をほぐし、話しやすい雰囲気を作ることが先決です。
次に、あなたが悪かったと思う点について謝罪し、これから何をどう改善していくのか、あなたがどう変わっていきたいのかを伝えましょう。悪いのは浮気したパートナーですが、悪いからといって過度に追及すると修復を難しくしてしまいます。
修復を望む以上は、「私は今でもあなたのことを愛している」、「大切に思っている」ということをアピールし、話し合いでどんなことがあっても「夫婦で抱えている問題をともに解決していきたい」という気持ちをもって対応すべきです。あなたの想いを伝えた後は、パートナーの反応をみましょう。
【離婚】を望む場合
一方、離婚を望む場合は端的に離婚したいことを伝えましょう。
また、この際に、離婚を決断するに至った理由(離婚理由)やパートナーに改善して欲しかった点、苦しかった点など、これまであなたの心の中でため込んできた想いをパートナーに伝えるとよいでしょう。
ただし、パートナーに最も伝えべきことは「離婚したいこと」と「離婚理由」だけです。あれもこれも伝えようとすると、結局あなたが何を伝えたいのかがパートナーに伝わらなくなってしまう可能性があります。
あなたの想いを伝えた後は、修復の場合と同じく、パートナーの反応をみましょう。離婚の意思が固い以上は、パートナーからあれこれ言われても、あなたの意思は揺るがないことを示し続けましょう。
【修復】【離婚】共通①
修復を望む場合も離婚を望む場合も、話し合いでやらなければならないことは浮気の事実確認です。
具体的には、浮気の原因・経緯、浮気の期間、不貞行為の回数、浮気相手の情報(名前、職業、住まい(住所)、電話番号)を聞き出していきましょう。これまでの調査で明らかになっている情報でも、パートナーの口から直接言わせることが大切です。
浮気の事実は、修復の場合は、パートナーにきちんと自分のやったことに向き合わせ反省させるため、また、浮気相手に慰謝料請求するために必要な情報です。離婚の場合は、パートナーや浮気相手に離婚慰謝料を請求するために必要な情報です。
【修復】【離婚】共通②~別居
時間をかけても修復か、離婚か、結論が出ない場合は別居することも選択肢の一つです。別居することでまずはお互いに気持ちを落ち着け、冷静になれるというメリットがあります。
ただし、別居を希望する場合でも、別居の準備を整えた上で、パートナーに別居を切り出す必要があります。一定の例外を除いて、パートナーに無断で別居していはいけませんし、準備不足のまま別居を切り出してはいけません。
別居するにしても、少しでも修復の望みがあるのであれば、別居期間は短期間にとどめ、別居期間中も修復に向けてお互い努力することをきちんと意思確認しておくべきです。
一方、離婚前提で別居する場合(あなたが今の家を出ていく場合)は、財産分与や浮気などの証拠を集めるなど、離婚を見据えた準備も並行して進めておく必要があります。
【修復】できそうな場合
お互いの考えが修復で一致しそうな場合は、パートナーの意見にも耳を傾けましょう。あなたが改善していきたいと考えていることとパートナーがあなたに改善して欲しいと考えていることは一致してないことの方が多いです。
あなたが改善すべきことがまとまったら、今度は、あなたがパートナーに改善して欲しいと考えていることをパートナーに伝えます。ここでもあなたの考えとパートナーの考えは一致しないでしょうから、お互いによく話を聞き、考えをすり合わせていくことが大切です。
今後の夫婦の方向性がある程度まとまったら、家事、育児の分担、家計の管理、小遣いなど、夫婦間のルールについて話し合い、書面を作りましょう。あらかじめ原案を作ってきている場合は、原案をもとに話し合いを進めてもよいですが、パートナーの意見も取り入れながら適宜修正しながら完成形を作っていきましょう。
【離婚】合意できた場合
一方、離婚に合意できた場合は、親権や養育費、慰謝料、財産分与などの離婚条件について話し合う必要があります。まずは、あなたの考えてきた条件を伝え、同意できるかどうかを確認しましょう。
同意できる場合は、言った・言わないのトラブルを防止するため書面を作りましょう。あらかじめ原案を作っている場合は、ここでサインさせてもよいでしょう。養育費や慰謝料などの金銭に関する合意をした場合は、パートナーに公正証書を作ることを提案し、同意をとりつけておきましょう。
そもそも離婚の話し合いができない、話し合いをしても話がまとまらない、という場合は弁護士に依頼する、別居する、調停を申し立てることなどを検討する必要があります。
話し合いでの注意点
話し合いでは次の点に注意が必要です。
話し合いに必要なものをもっていく
まず、話し合いは手ぶらで臨むのではなく、必要なものをもっていきましょう。
もって行くものとしては、ボイスレコーダー、筆記具、メモ用紙、浮気の証拠(写し)のほか、誓約書や離婚協議書にサインさせたい場合は誓約書や離婚協議書の原案、印鑑をもっていきましょう。パートナーにも印鑑をもってきてもらう必要があります。
原則、話し合いは夫婦だけで
次に、前述のとおり、話し合いは原則夫婦だけで行いましょう。
第三者によっては話し合いがこじれ、解決までに余計な手間と時間がかかってしまう可能性があります。専門家以外の第三者を間に入れる場合は、パートナーと話し合った上で双方が納得できる人を選ぶようにしましょう。
感情的にならず、冷静に対処する
次に、話し合いは感情的にならず冷静に行うことです。
あなたが感情的になると、パートナーもそれに呼応して感情的になり、話し合いにならない可能性があります。また、パートナーも会話を録音している可能性もあり、のちのち証拠として使われる可能性もあります。感情的にならないためにはこれまで解説した事前準備をしっかり行なっておくことが大切です。
譲歩する
次に、パートナーの意見にも耳を傾け、譲歩できるところは譲歩することも大事です。
話し合いが失敗するパターンとしてよくありがちなのが、自分の考えや意見だけを押し通そうとすることです。しかし、話し合いは平行線をたどったままで何も解決しないままとなる可能性が高いです。話し合いでの解決を目指す以上は、どこかで折り合いをつけることが大切です。
1回で終わらせようとしない
最後に、話し合いを1回で終わらせようとしないことです。
確かに、パートナーと面と向かっての話し合いに負担を感じ、はやく終わらせたいと考える方もおられると思います。しかし、修復、離婚、いずれの場合も今後の人生に向けてとても大事なことを話し合うわけですから、じっくり時間をかけて話し合うべきです。何を話し合うべきかあらかじめしっかり検討しておくことが、話し合いの回数を少なくするコツです。
話し合いの後にやるべきこと
最後に、話し合いを終えた後にやるべきことを修復の場合と離婚の場合にわけてみていきましょう。
【修復】の場合
修復で意見が一致した場合は、前述のとおり、夫婦のルールについて話し合い、書面を作りましょう。同時に、パートナーと浮気相手との関係解消や接触禁止、浮気相手に慰謝料請求するために、示談書案の作成や浮気相手との話し合いも必要となります。
【離婚】の場合
一方、離婚で意見が一致し、離婚条件について合意できた場合は、合意内容を書面にまとめます。養育費や慰謝料などの金銭に関する合意をした場合は公正証書を作る手続きをとりましょう。話がまとまらない場合は調停を申し立てることを検討します。
まとめ
パートナーに浮気された場合、いずれはパートナーとひざを突き合わせて話し合いの機会を設ける必要が出てきます。あなたが修復すると決めたにせよ、離婚すると決めたにせよ、話し合いをスムーズに、有利に進めるためにはしっかりとした事前準備が欠かせません。また、話し合いを切り出すタイミングや切り出し方にも細心の注意を払いましょう。
話し合いは感情的にならず冷静に淡々と必要なことを聞き出し、決めるべきことを決めていくことが求められます。また、話し合いでの解決を目指すのであれば、要求ばかりを突き通すのではなく、パートナーの意見にも耳を傾け、一定の譲歩を見せることも必要です。直接の話し合いが難しい場合は、夫婦カウンセラーや弁護士に間に入ってもらうことも検討しましょう。