不倫に発展しやすい場所として多いのが「職場」です。
コンドームの製造会社として有名な相模(SAGAMI)ゴム工業株式会社が、2018年に公表した調査結果によると、パートナー(や交際相手)が性的関係をもつ相手と出会った場所で多かったのが「職場」で、全体の4分の1(約22.9%)を占めていることがわかります。客観的なデータからも職場(社内)での出会いが不倫へと発展しやすいことが証明されています。
そこで、今回は「職場と不倫」というテーマで、なぜ職場から不倫へと発展しやすいのか、どういうことがきっかけで不倫に発展しやすいのか、職場(社内)不倫の兆候とは何か、不倫の兆候が出始めたらどう対応すればいいのか解説していきたいと思います。なお、不倫しやすい職業については以下の記事で詳しく解説しています。
職場(社内)不倫に発展する7つのきっかけ
それでは、なぜ職場(社内)から不倫に発展しやすいのか、職場(社内)から不倫に発展しやすいきっかけをみていきましょう。
相談
まず、きっかけとして多いのが相談です。仕事をする上で悩みはつきものです。特に、会社員のように組織の中で働いている人は人間関係の悩みを抱えているパートナーも多いはず。
そんなパートナーの悩みに寄り添い、解決に導いてくれるのは、家族よりも職場の同僚、上司・部下、先輩・後輩でしょう。そして、パートナーが悩みを相談するうち、その相談相手がパートナーにとっての最大の理解者となり、あなたよりも魅力的な存在になってくるのです。
反対に、パートナーが悩みの相談を受ける立場の場合は、パートナーが相手にとって魅力的な存在となる可能性もあります。お互いが悩みを共有しているからこそ惹かれ合い、不倫へと発展する可能性があるのです。
残業
次に、残業です。特定の人との残業が続く場合は、残業をきっかけに不倫へと発展する可能性があります。誰しも残業はしたくないですが、一緒に残業しているだけで「同じ苦労を共有している」という連帯意識が芽生えます。
また、残業では二人きりになる時間もあると思います。二人きりになると自然と会話が増え、会話が増えるとそれだけお互いのことを理解し合える関係となります。
さらに、残業後は、慰労という口実で食事や飲みに誘いやすいですし、誘われやすくもなります。食事や飲みの時間を共有すると、ますますプライベートなことまで踏み込めるようになり、不倫へと発展する可能性があります。
一緒にいる時間が長い
次に、一緒にいる時間が長いことです。会社の勤務時間が午前9時から午後6時までという場合、約9時間を会社の同僚などと時間をともにすることになります。残業が入ればさらに時間は増えるでしょう。
一方で、仕事の時間が増える分、家族と過ごす時間は減ります。仕事の行き帰りに時間を取られる、残業が多いなどという場合、平日は、家族と寝るだけという生活を送っている方も多いでしょう。
一緒にいる時間が長いということはそれだけ会話の時間が増え、短いということは会話の時間は少なくなります。それゆえ、パートナーはあなたよりも会社の同僚などと親密になりやすくなり、そこから不倫に発展する可能性があるのです。
上司・部下の関係にある
次に、上司・部下の関係にあることです。この場合、一見すると不倫に発展しそうにありません。しかし、この関係にある場合も注意が必要です。
上司・部下の関係にあるということは、仕事や人間関係の悩みを共有しているということになります。そして、パートナーが不倫相手の上司の場合、部下の不倫相手から見れば、パートナーは自分の悩みを解決してくれる魅力的な人物に映るはずです。
反対に、パートナーが部下、不倫相手が上司という場合も同様のことがいえます。上司・部下という関係の場合、年齢差に開きがあるケースも散見されますが、仕事上の関係であれば気にしないという方も多いです。
共同で何かを成し遂げようとする
次に、共同で何かを成し遂げようとするからです。共同で何かを成し遂げようとしているということは、そのチームの中の人と同じ目標や悩みを共有していることになり、お互いに思いやりや感謝の気持ちが芽生えやすくなります。
良好な夫婦関係を築くコツの一つに夫婦で同じ目標に向かって何かを成し遂げるという方法があります。目標が同じであれば、自然とお互いに協力し合える関係になり、思いやりや感謝の気持ちが芽生え、コミュニケーションも増えます。
そして、このことはパートナーの職場の場合でも同じことがいえます。パートナーのチームの中に、パートナーが意中している相手がいれば、いつの間にかその相手と親密な関係になり、不倫に発展する可能性があります。
泊付きの出張・社員旅行
次に、泊付きの出張・社員旅行があることです。泊付きの出張や社員旅行はいつもと違う解放感があります。そのため、お互いが普段仕事では見せない部分をさらけ出すことでき、親密度がさらに高くなります。
また、泊付きということは、ともに一夜を過ごすということになります。部屋を分けているとはいえ、パートナーが異性の部屋を訪ねたり、逆のパターンも考えられるでしょう。そうするともはや部屋を分けている意味すらなくなります。
泊付きの出張や社員旅行ではお酒を飲む機会も多いです。お酒が入ると解放感と相まって気持ちがますます大きくなり、予想もしない行動に出やすくなり、そこから不倫に発展することも珍しくはありません。
飲み会
最後に、飲み会があることです。暑気払い、忘年会、新年会など定期的な飲み会はもちろん、人の人事異動、昇格などのイベントごとに飲み会を開く職場もあります。飲み会ではお酒の影響もあって、普段仕事では言えない愚痴や本音が出やすくなり、仕事をするだけの関係よりも打ち解けることができ、より親密になる可能性があります。
また、たとえ、1回の飲み会で打ち解けることができなくても、職場が同じである以上、目当ての人を飲みに誘える機会はいくらでもあります。パートナーがお酒好きの場合や社交的な人の場合は、愚痴・悩みを聞くということを口実として、自分から目当ての異性を誘うことも可能なのです。
職場(社内)不倫の兆候
パートナーが職場(社内)で不倫していることが事実であるならば、以下に挙げるような職場(社内)の不倫に特有の兆候が必ずといってよいほど出ます。
もし、あなたが「不倫しているかも?」と感じた場合は、普段からよくパートナーの言動を観察し、不倫の兆候を見逃さないことが大切です。もし気になることがあれば、メモ帳や日記に書き留めておくとのちのち役に立ちます。
✔残業、飲み会を理由に帰宅が遅くなった
✔夕食を外で済ませるというようになった
✔出張、休日出勤、会社の付き合いを理由に家を空けることが多くなった
✔残業が多いと言われるわりには収入が増えていない
✔有給休暇の減りが予想以上にはやい
✔家での会話が減った
✔仕事に関する話をしなくなった
✔仕事の不平・不満を言わなくなった
✔外見に気を遣うようになった
以上のほかにも、不倫の兆候は数多くあります。不倫の兆候は、
✔ スマホ
✔ 財布・バッグ
✔ 車
✔ 性生活
✔ 日常生活
に出やすいため、これらの点については特に注意して観察しておく必要があります。
不倫の兆候が出始めたら浮気調査を
万が一、パートナーに不倫の兆候が出始めたら、できる範囲で調査を始めてみましょう。
不倫の兆候が出始めたとはいえ、今の段階では不倫の「疑い」でしかありません。それを「確信」へと変えるにはしっかりと浮気調査し、不倫の証拠を集めることが必要です。また、同時に、今後のパートナーとの関係をどうするかも考えておく必要があります。
もっとも、調査にはバレるというリスクがつきものです。万が一、調査していることがバレるとその後の調査を難しくしてしてしまいますし、パートナーとの関係を悪化させてしまうことも考えられます。
自分で調査するにあたっては、まずは自分でできるかどうか、探偵に依頼すべきか、依頼した方がいいのかどうかを見極め、探偵に依頼すべきとき、依頼した方がいいときははやめに探偵に相談しましょう。
修復か?離婚か?それぞれの対応
前述のとおり、浮気調査と並行して、今後のパートナーとの関係についても考えておく必要があります。ただ、一度パートナーに離婚を切り出すと後戻りすることが難しくなってしまいますし、離婚には様々なリスクが伴いますから、少しでもパートナーへの愛情が残っている、修復したいという気持ちがあるのであれば、まずは修復を試みてもよいと思います。
もっとも、修復を望む場合は過去の自分を見つめ直し、自分から変わることが求められます。パートナーもあなたに対して何かしらの不満やストレスを抱えているからこそ不倫したのであって、その不満やストレスを除去できなければ再び不倫される可能性があります。
一方、パートナーへの愛情が完全に失われた、パートナーの心が不倫相手に奪われていて修復の見込みがないという場合は離婚に踏み切ってもよいでしょう。ただ、離婚を決断したからといってすぐにパートナーに離婚を切り出してはいけません。離婚後、後悔しないためにも、離婚を切り出す前にしかりとした離婚準備が必要です。
職場(社内)不倫でよくあるQ&A
最後に、職場(社内)不倫でよくある疑問にお答えします。
不倫相手を懲戒解雇できる?
ケースによっては懲戒解雇されることもないとはいえませんが、どのような処分を科すかは会社の判断に委ねられます。
そもそも労働者に解雇などの懲戒処分を科すには、就業規則の中に「不倫したら懲戒処分を科します」というような規定が設けられていなければいけません。しかし、就業規則の中にこうした規定を設けている会社はないといってよいでしょう。
それは、そもそも就業規則が会社の名誉や信用、秩序を守るために設けられるものであって、不倫というプライベートな行為が直ちに会社の名誉や信用、秩序を害するものとはいえないからです。
もっとも、プライベートな行為だからといって、何をやってもよいというわけではありません。プライベートな行為であっても、会社の名誉や信用を失墜させるおそれ、秩序を乱すおそれのある行為は懲戒処分の対象になりえます。
たとえば、取引先の関係者との不倫は会社の名誉、信用にかかわることですし、少人数の職場内での不倫は日常の業務に支障をきたすことが必須です。こうした事態は会社としても見過ごすことはできず、会社としてきちんと対処しなければならないでしょう。
なお、解雇は懲戒処分の中で最も重たい処分ですから、職場(社内)不倫だからといって直ちに解雇することは会社も慎重にならざるをえません(※)。
いかなる処分を科すかはケースバイケースで判断されますが、通常は、注意・戒告などの軽い懲戒処分か配置転換(異動)など懲戒処分以外の措置で対応することが多いと思います。
※もっとも、職場(社内)不倫に伴って会社のパソコンや施設を私的利用が会社に明るみとなった場合には、職場(社内)不倫以外の理由で重い懲戒処分が科されることは考えられます。
不倫相手を退職させることはできる?
強制的に退職させることはできませんが、不倫相手との話し合いで退職をうながし、自主的に退職させることは可能です。
まず、不倫相手を強制的に退職させる、すなわち、解雇することが難しいことは前述のとおりです。一方で、不倫相手との話し合いの中で、不倫相手の自主的な判断で職場を退職させることは可能です。
不倫相手の職種や地位などにもよりますが、あなたにパートナーとの関係がバレてしまった以上、パートナーに対する気持ちが覚め、関係解消や退職に同意する不倫相手も少なくありません。
不倫相手が退職に消極的な姿勢を見せる場合は慰謝料請求しない、分割払いを認める、あるいは慰謝料の金額を減額するなどの譲歩を示し、退職の同意をとりつけるのも一つの方法です。
一方、都合によりどうしても退職が難しい場合は、私的な接触はしないこと、もし誓約を破った場合は違約金を払う旨を誓約させた上で、一定期間様子を見守る対応が必要となります。
いずれにしても、不倫相手と取り交わした約束は誓約書あるいは示談書にきちんと盛り込み、場合によっては示談書は公正証書にしておくと安心です。
なお、ここで気をつけなければいけないのは、退職はあくまで不倫相手の「自主的」な判断に委ねられるのであって、不倫相手に退職を強制・強要することはできないという点です。
不倫相手が退職を渋るからといって、不倫相手を脅すような行為をとってしまうとパートナーとの関係は解消できないばかりか、あなたが民事・刑事の責任を問われる可能性もありますので注意が必要です。
職場の上司に相談していい?
相談は控えた方が賢明です。
夫婦だけではどうしても解決への道が開けない、埒が明かないという場合、頼みの綱となるのが第三者の力ではないでしょうか?親、親族、友人から弁護士、夫婦カウンセラーなどの専門家まで頼ろうと思えば頼れる人はたくさんいます。
その中でも特に職場(社内)不倫の場合は、職場の上司に相談してみようか考える方もおられると思います。確かに、職場の上司であれば、立場上、パートナーや不倫相手に不倫を辞めるよう、不倫関係を解消するよう働きかけてもらうことができるかもしれません。
しかし、職場の上司は夫婦問題を解決する専門家ではありませんし、上司とはいっても、性格、見識、夫婦問題に関する考え方、人生経験は人それぞれです。職場の上司を間に入れたばかりにかえって問題が泥沼化してしまう可能性があります。
また、上司はあくまで仕事上のことについて部下を監督・指導できるのであって、部下のプライベートなことまで監督・指導できる立場にはありません。中には部下のプライベートなことには一切ノータッチ、というスタンスの人もいますので、相談しても対応してくれないことも考えられます。
あなたに職場(社内)不倫が発覚すれば、パートナーも不倫相手も職場にバレずに穏便に済ませたいと考えることが多いです。にもかかわらず、あなたが職場(社内)不倫の事実を会社に通報したり、相手に断りもいれずに職場の上司に相談したりすると、相手の怒りを買い、場合によっては、プライバシー権や名誉権を侵害したとして損害賠償請求される可能性もあります。
このように、職場の上司は不倫問題という部下のプライベートな事項について相談を受ける立場にはありませんし、相談したことによってあなたが受ける不利益も大きいといえますから、職場の上司に相談することはやめた方が賢明といえます。
まとめ
職場(社内)から不倫に発展するケースは非常に多いです。パートナーに一般的な不倫の兆候、職場(社内)不倫特有の兆候が出始めたら不倫を疑い、できる範囲で調査して不倫が事実かどうか確かめましょう。不倫の疑いが濃厚な場合は、パートナーとの今後の関係についても考えておく必要があります。修復か離婚かで対応が異なりますから、まずはご自分の中で結論を固めておきましょう。